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粟飯原栄子著 「悩める合唱指揮者のための手引き」

この手引きは合唱指揮者講習会の資料として
初心者のための指揮法とア・カペラコーラスの指導法をまとめたものです
何から手をつければいいかわからない人
行き詰ってしまった人たちのヒントになれば幸いです

情熱だけでは問題は解決しない
心を込めるだけでは聴衆を説得できるよい音楽は作り出せない
理想の音と音楽を作るには、確かな技術が必要です
魔法のようにうまくなる方法はなく、これが絶対という指導法もない
音楽の正解は1つではない
結局は自分で探していくしかありません

悩んでいるのはあなただけではありません
理想の音を求めて一歩ずつ学んでいきましょう
(著者 前書きより)
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本誌はパナムジカの通信販売にてお求めいただけます。
A4判 142ページ  定価 本体価格2,000円+税  パナムジカコード SY9906B


出張講習会のご案内
この手引きの内容を実践する講習会を、ご希望に応じて開催いたします。
内容については、指揮法、指導法などご相談のうえ決定し、講師が出張して指導します。
合唱団単位での講習会のほか、学校の先生方を対象にした講習会、一般の希望者を募る講習会に対応できます。
開催条件などの詳細は、下記までお問い合わせください。
tebiki@mixed-choir.sakura.ne.jp

推薦文 高階正光

著者は斉藤指揮法を習得し、自ら指揮法教室を開き指導してきた。この本は著者自身の実践によって裏打ちされていることが貴重だと思う。本書では、合唱指導者がよい指揮者になるために欠かせない要素として、指揮の技術を挙げている。その能力の向上には、常に研究努力が必要なことは第一章を読むだけでもわかるだろう。著者はそれを自分に課して苦労しているから、こうしたことが書けるのです。ブンブン振らない、バンザイしない、など説明はユニークで、しかも本質的なポイントを示しているので、私のように厳格に指揮法を教えてきた者にとっても面白く、指揮法に入りやすいと思える。しかも基本の重要さを理解したうえで、合唱指導の現場で習得したものを合体した実践的な指導書で、参考になる。

経験者編での助言で更に一歩、指揮の現場に踏み込んでいるが、こうしてまとめられると納得のいくことが多い。また実際に経験した人でないとわからない、感覚的なことも述べられていて興味深い。宗教曲への誘いも実に丁寧でわかりやすい。ヴォイストレーニングに至るまで、幅広く入り口を示してくれる手引書で、指揮者は自らこのような研鑽と経験を避けて通れないことを熱く語っている。著者の長年の実践による、尊重すべき成果です。『型に入って、型から出よ』は斉藤先生の格言です。正確な指揮法を習得する努力を、私からもあらためて薦める。

この本は悩める指揮者以外には無縁と見えて、実は合唱団員諸氏にプロの指揮者の苦心や努力を知ってもらいたい、という著者の深謀遠慮があることを察知できるのではないだろうか・・・・。

目次

第一章 指揮と指導の基本的アドヴァイス
(1)指揮法を勉強しよう
(2)よい指揮者になるには
(3)なぜ指揮法の勉強が必要なの?
(4)今すぐ身に付く指揮法の基礎
(5)わかりやすい指揮・指導のポイント〜初心者編
(6)わかりやすい指揮・指導のポイント〜経験者編
第二章 ア・カペラコーラスのすすめ
(1)ア・カペラコーラスにチャレンジしよう
(2)初めてのア・カペラ
(3)よい選曲をするには
(4)やさしいことを確実に
(5)譜読みと仕上げ練習の実践
(6)宗教曲を歌うには
(7)英語でラテン語に親しもう
(8)外国語で歌うには
(9)初心者のためのルネサンス作品の歌い方
(10)ルネサンス時代の楽譜の見方
(11)合唱で国際的文化人になろう
第三章 ヴォイストレーニングについて考える
第四章 いろいろQ&A
(1)テンポの悩み
(2)音程の悩み
(3)声の悩み
(4)表現の悩み
(5)その他の悩み
第五章 実録 合唱団訪問
(1)体育会系スパルタ先生の巻
(2)ア・カペラ初挑戦の巻
(3)前任者との比較に悩む先生の巻
(4)少人数のアンサンブル合唱団の巻
第六章 よい指揮者になるために心がけること
(1)演奏家である自覚を持とう
(2)評論家になろう
(3)コンクールを上手に利用しよう
(4)著作権を守ろう
(5)よい演奏を聴こう・よい楽譜を見よう
(6)アンテナを高くしよう